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韓国出張 続編 [海外雑記]

  お昼に韓国の泥鰌鍋をご馳走になった後、ソウル南大門の夜景.jpg我々は会社で数時間打ち合わせをした後、金さんが手配してくれたホテルへ向かった。チェックインの前に金さんから、『夕食を一緒に食べましょう。何か食べたいものありますか?』と悠長な日本語で聞かれたので、『お任せします。』と答えると、『それでは焼肉にしましょう。』と云って私と同僚の顔を見た。

  夕食を食べにホテルを出ると、ふと通りの向こう側に日本人にも馴染みがある“温泉マーク”のネオンが見えた。韓国旅館のマーク.jpg『あのマークは、韓国では旅館でしたよね。』と金さんに聞くと、『ええ、そうです。昔は旅館のマークでしたが、今はラブホテルのマークになっています。でも最近の若者は、あまりあのマークの旅館を利用しません。』と答えが返ってきた。『なぜですか?』と聞くと、『最近は日本と同じようなラブホテルが多く出来ましたから、若い人は古い旅館には行かないんです。』と納得のいく回答が帰ってきた。

  焼肉屋に着くと奥の部屋に通された。そこには金さんの上司李さんや、今回の仕事の関係者数人が待っていてくれた。焼肉.jpgまずビールでコンベ(乾杯)をした後、アジュンマ(おばさん)が焼いてくれる焼肉をニンニクや野菜サラダ、青唐辛子と共にレタスに包んで口に運んだ。韓国焼肉は、カルビ(骨付き牛のアバラ肉)、サムギョッサル(豚バラの3枚肉)、テジカルビ(豚カルビ)、ヤンコブチャン(ホルモン焼き)、そしてすき焼きに近いブルコギなどが有る。カルビは網焼き、サムギョッサル、ヤンコブチャンは鉄板、ブルコギは山形に盛り上がった鉄板とそれぞれ焼き方が違う。

  爆弾酒.jpg焼肉を食べていると、会社の人達から『ハンジャン ハセヨ(1杯どうぞ)』とビールを進められた。韓国では手酌は御法度、『カムサハムニダ(有難う)』と云っては飲んでいるうちに、『焼酎大丈夫ですか?』と李さんから聞かれた。ビールはもうキツイと思い『はい』と答えると、暫くして韓国の焼酎“ソジュ”が運ばれてきた。その後は、次から次に1杯どうぞと皆から進められ、両手でグラスを持っては注がれた焼酎を飲み干した。

  いささか酔ってきた頃、李さんが、ビールが入ったコップに焼酎を入れたグラスを沈めた爆弾酒を作って私に進めてきた。仕方なく、渡された爆弾酒を手に取ると、李さんも自分の爆弾酒を持ち、乾杯と云って飲みだした。それを見ていた人達は、ワンシャ、ワンシャ(一揆、一揆)と囃しだしたので、韓国酒.jpg私も日本民族の代表として手に持った爆弾酒をゴクゴクと一気に飲み干した。『強いですね、原子爆弾酒にしますか?』と李さんがニコッと笑って聞いてきた。原子爆弾酒とは爆弾酒とは逆に、ビールのコップに焼酎を入れたお酒だ。強いお酒の消費量、世界1位を誇る民族を相手に勝負する気にもなれず、『いいえ、明日の仕事に影響しますので』と云って何とか断った。

  次の日は、さすがにいささか2日酔い気味、重い頭を抱え打ち合わせを済ませた後、『昼は、部隊鍋(ブデチゲ)を食べましょう。』と金さんに言われ、会社の近くのレストランへ向かった。部隊鍋シンラーメン.JPG部隊鍋は、私も始めて食べたが、インスタントラーメンのスープに、スパムソーセージ、キムチ、肉や野菜を入れた、韓国の人が一番好んで食べる鍋だそうだ。

  見た目は余った材料を鍋に入れ、インスタントラーメンを放り込んだだけの鍋だが、食べて見るとこれが美味しい。金さんが、『どうですか、味は?』と聞いてきたので、『美味しいですね。』と答えると、『部隊鍋は朝鮮戦争の時、アメリカ軍の駐留していたキャンプから残飯を集め、手元にある材料を片っ端から入れて作ったことから名前の由来があります。その頃、韓国人は貧乏でしたから、』と、少し悲しそうな表情で説明してくれた...


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韓国出張 [海外雑記]

 先々週仕事で久しぶりに韓国を訪問した。成田発9:50分の便に搭乗し、ソウル.jpg12:40分ソウル仁川空港に到着。以前、韓国は数回訪れた事があるが釜山が多く、仁川空港に降りたのは初めてである。仁川空港は永宋島と龍遊島の間にあった干潟を埋め立てて作ったアジア最大級のハブ空港であり、ソウル市内には車で60分程度離れている。

 飛行機到着後、同僚のI君と飛行機を降りた所で落ち合い、イミグレ、税関を通って到着ゲートに出た。仁川国際空港到着ロビー.jpg到着ゲートでは取引先の金さんが私達をピックアップしてくれるはずだったので、手に手に名前や社名を掲げてピックアップに来ている人々をゆっくりと見ながら、私達の名前が無いか探して歩いた。しかしそれらしき人が見当たらず、私は、『遅れているのかも知れないね、少し待とうか。』とI君に云った。するとI君が、『遅刻ですかね、もう一度見てきます。』と云って再びピックアップに来ている人達を見に戻って行った。

 暫くするとI君が背広姿の人と共に戻って来て、『いました、向こう側に会社の名前を書いた紙を持って立っていました。』と云って金さんを紹介してくれた。仁川国際空港高速道路.jpgさんは若手の営業マンで日本語が堪能だ。後で聞いたら日本の大学に留学していたとのこと。金さんの後に付いて駐車場まで行くと黒のべリスタが運転手と共に待っていた。我々は早々に車に乗り込み、金さんの会社へと向かった。

 途中金さんが、『少し遅いですけど、美味しい泥鰌鍋の店があるので昼食にしましょう』と云って運転手に韓国語で何か話した。暫くすると車が止まり私達は泥鰌鍋の店に入って遅い昼食を食べることになった。

泥鰌鍋.JPG金さんが、『泥鰌鍋は韓国語で“チュオタン”と云います。韓国味噌と唐辛子、胡椒と山椒を入れたスープに泥鰌を入れ、ごぼうや韮と一緒に煮込んだものです。』と説明してくれた。私はぐつぐつ煮えている鍋から、直接箸で具を小皿に取り口に運んだ。

旨い!! 見た目が辛そうなので覚悟していたが、ほどよい辛味でコクがある。何度か具を取り口に運んだが、どうも泥鰌らしきものがない。おかしいと思い、今度はスプーンで鍋から具をすくって小皿に盛ったが、やはり泥鰌はいない。『泥鰌がいませんが、解けたんですかね?』と金さんに聞くと、『ああ、泥鰌はすり潰して入っています。』ペチュギムチ.jpgと答えが返ってきた。『そうなんですか、日本の柳川鍋は泥鰌がまるごと入っています。』と云うと、『泥鰌まるごとですか!!』と金さん。顔を見ると明らかに嫌だなと云う表情をしている。

 私は少し麦が入ったご飯と、テーブルに置かれたおかわり自由のいく種類のキムチ、サービスだと云って出てきた泥鰌の天婦羅を食べ“マシソスムニダ”“カムサミダ”と金さんにお礼を云った。

*続く


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仮想現実空間への旅 [仮想空間]

最近、私が見ていたあるブログが終了しました。名前は“PSHomeスタディ”、ベネチア風パソペにて.jpg大人も楽しめる仮想現実空間をテーマにしたブログでした。私のブログを見てくれる、ほとんどの人がその世界を知らないと思いますので、少しその世界の紹介をさせてください。

私がこの仮想現実空間を知ったのは、TVで見たゲームの画像があまりにも綺麗だったのがきっかけでした。私は早々にゲーム機を購入し、ベニス風の部屋.jpgそのゲーム機に付いているさまざまな機能を試している内に、この仮想現実空間に迷い込んでしまったのです。その空間は、バーチャルリアリティの世界で、自分が作ったアバターと呼ばれる自分自身の分身が、TV画面の中に作られたさまざまな仮想空間で、現実とは異なる体験をする世界です。

その仮想空間では、別荘の夕日.jpg同じ世界を共有する多くの人達(アバター)とコミュニケーションが出来、それらの人達と知り合いになれば、その人が現実にはどこに住んでいる人であっても、その仮想空間でいつでもコミュニケーションをとる事ができ、その空間での経験を共有できるのです。

また自分の化身であるアバターを好きな顔、キッチン.jpg好きなスタイルにして自分の気に入った服を着せたり、アバターが住む部屋、家具などを手に入れて、自分の好みのスペースにし、友人をそこに呼ぶ事も出来るのです。

その仮想空間を別の例えで説明するとしたら、それは夢の世界に似ているかも知れません。夢の世界では、現在や過去、未来の世界に自分自身が登場し、現実の世界とは異なる体験をします。パソペ訪問.jpg夢の中では、自分自身が理想とする人間で登場したり、嫌な人間で出てきたりもします。

この仮想空間では、自分の化身であるアバターを使ってさまざまな人間を造ることができ、そのアバターを使って未来や過去、架空の世界を自由に移動することが出来ます。夢は、嫌な夢もあれば、もう一度見たい夢もありますが、しかし自分の意思では、それらの夢を選ぶことはできません。しかしこの仮想現実空間は夢と異なり、昨日と同じ場所に行き、同じ人に会うことが出来るのです。ロコアイランド.jpg

残念なことに、現在の仮想現実空間は、人間の五感である“視覚”“聴覚”しか感じることが出来ず、“触覚”“味覚”“臭覚”が体験できません。しかし近い将来、TV画面ではない世界で、人間の脳に直接アクセスし、“触覚”“味覚”“臭覚”も感じる事ができる仮想現実空間が必ず出来ると思います。人間の五感を体験できる仮想現実空間が出来れば、私達は家にいながら、まだ行ったことがない地球の果てから、宇宙の果てまで旅を楽しむ事ができるようになります。そして、私たちはそこで現実とは異なる社会を作り、現実とは異なる人生を楽しむことが出来るかも知れません。

(追記)私が紹介した仮想現実空間“PlastationHome”は、ソニーのプレイステーション3を購入すると付いてくるソフトで、Plastation3を使う人達のコミュニケーションツールとして開発されました。

*この記事を、“PSHomeスタディ”の管理人お気楽さんに捧げます。また、昨日の地震、津波、火災により被害を受けた方々に心からお悔やみ申しあげます。


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懐かしきベルギー (ドイツ ケルン) [海外雑記]

   『ベルギーは、見る所がずいぶんありますね。ケルン.jpgドイツはどうですか?』とふたたびM君が聞いてきたので、私は思い出すようにドイツについて語り始めた。  

 『オフィスがあるケルンは毎週のように行きましたが、ケルン以外では、デュッセルドルフやフランクフルトにも何度か行きました。残念ですが、ドイツは第二次世界大戦で主要な都市は破壊されましたから、あまり古い建造物は残っていません。』アーヘン.jpg

 『ブリュッセルからケルンに行くには、まず高速道路E40をリエージェ目指して走ります。リエージェからはドイツの国境を越え、アーヘンを経由してケルンへ向かいます。高速はE40だけしか使わないので、ナビが無くてもほとんど間違わずに行けるんですけど、1度だけ間違えてアーヘンの街に入ってしまった事がありました。国境を越えて次はアーヘン、アーヘンと標識を追いかけているうちに、気づいたら高速を出て街の中に入っていました。ケルン大聖堂.jpg日本なら料金所があるのですけど、ドイツのアウトバーン(高速道路)は制限速度無し、料金無料ですからそんな事が起こるんですよ。』

『でも制限時速が無いのはいいですね。』とM君が云ったので、

『制限速度が無いと云いながら、ケルン大聖堂2.jpg場所によってはスピードを規制しているところもあります。』と答えてから話を続けた。

『オーデコロンはフランス語で“ケルンの水”と云う意味だそうで、ケルンはオーデコロン発祥の地なんです。第二次世界大戦でも崩れなかったケルン大聖堂があり、ゴシック様式の細長い塔が林立する様子は圧巻です。中はかなり暗く荘厳な雰囲気で、私が訪れたのが冬でし たから、とても寒かったのを覚えています。ただ残念ですが大聖堂は外壁が黒く変色して汚れていました。4711オーデコロン発祥の店.jpg建物は石灰石が使われているので、大気中の不純物や酸性雨によって変色してしまうのだそうで、そのため年間10臆をかけて修復しているそうです。現代人が出した汚染物による危機を、この大聖堂は自らの身を挺して警告しているのかも知れませんね...』


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懐かしきベルギー番外編(落し物) [海外雑記]

 ブリュッセルは、街の1/4が森や公園で緑が多く、市庁舎Bruxelles.jpg私の住んでいたアパートの近くにもエンゼル公園という名の大きな公園があった。私はベルギーの生活に少し慣れた頃から、朝早く起きてジョギングをしだした。なぜなら、ブリュッセルにある会社の昼食は、大きなお皿に肉料理と、ごっそりと盛られたフリッツ、さらにスープと食べ放題のサラダやパンが出され、毎日食べていたら確実にメタボになってしまうボリュームだった。しかし、朝のジョギングを始めた最初の日、私はとんでもない災難に見舞われた。

 冬のブリュッセルの日ノ出は遅い、8時半ごろやっと明るくなってくる。私は、ウインドジャケットに身を固め7時頃アパートを出た。外はまだ暗い、街灯の明かりが頼りだ。既に何度か自宅から公園までのジョギングコースは調べておいたので、軽い柔軟体操を済ませた後、犬のウンチ清掃員.jpg早々に走り出した。ほとんど人通りが無い静まり返った夜明け前の街では鳥の声も聞こえない。時々遥か遠くで犬の遠吠えが聞こえるぐらいだ。私は快調に冷たい風を切りながら公園を回り、もと来た道を戻りだした。

 犬の糞の始末を呼びかける看板.jpg突然、グニャっと嫌な感触が右足裏に伝わった。“ん、泥でも踏んだかな”と思いつつも、まだ道は暗く止まらなければ確認する事ができない為、そのまま無視して走り続けた。時々犬を連れた人とすれ違うが、それ以外はほとんど人ともすれ違わない。

 アパートがある通りに辿り着いたところ、作業着姿の人が、なにやら道路の所々を掃いているのが見えた。ごみでも拾っているのだろうかと思いつつ、横目で見ながら走り抜けた時、今度は左足に先ほどと同じグニャっと云う感触が伝わった。“え!! 何だろう”と思い、その場で止まりジッと目を凝らし足元を見た瞬間、目に衝撃が走った。小便犬.jpgなんと、踏んでしまったのは、“糞”である。うわ~と思いながら左足の靴底を道路の石畳にこすりつけ、ふと先ほどの作業着姿の人を見た。今度ははっきり見えた。作業着姿の人は小さなスコップと柄の付いたゴミ箱で、あちらこちらに放置された犬の糞を拾っていたのだ。 

 犬の糞を捨てるBOX.jpg後で聞いた話だが、ベルギーやフランスでは犬を散歩に連れて行くとき、犬が落とした糞の始末をする人はほとんどいない。従って朝の歩道には、たくさんの犬の糞が落ちている。ベルギーでは「犬の糞を踏むと良いことがある」という迷信があるそうだが、踏んでしまった人へのせめてもの慰みからとも云われている。犬を飼っているフランス人が「私が拾うと、お掃除の人が職を失ってしまうでしょ」と云ったとの話も有る。

 ベルギーでは犬を連れて歩く人が多く見受けられるが、犬の躾はいたって良く、日本のように犬に飼い主が引っ張られている光景はほとんど見ない。犬もおとなしく、主人が買い物をしている間などジッと座って主人を待っている。そのような“フランダースの犬”の舞台となった国で、犬の糞の始末だけはマナーが無いと言うのは、犬の躾と同じように飼い主の躾も確り行って欲しいものである。...

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