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マレーシア出張(出国) [海外雑記]

 翌日、私はビルの間から漏れる光で目を覚ませた。翌朝.jpg他の人達も早々に起きだし、帰宅のための交通情報を取りに、再びTVにかじりついた。TVは昨晩の帰宅難民と混雑する駅の状況を放映していた。私は午後1時頃、まだ帰れる目途が立たない数人を残し、TVの情報を頼りに会社を後にした。帰路は駅もホームも人で埋まり、数時間駅構内で待たされた。やっとの思いで詰めるだけ詰め込んだ電車に乗りこみ、何とか家まで帰ることができた。

 家に着くと、まずお風呂を沸かし、冷蔵庫にあった冷凍ピザをレンジで解凍し、食べながら地震のニュースを見た。ニュースは、あっと云う間に町全部を一飲みにする津波と、空港で寝る人達.jpg津波が去った後の瓦礫と化した町を写していた。風呂に入った後、翌日の出張準備をし、私は殆ど眠っていない疲れた体をベットに横たえた。

 日曜日の朝、私は朝早く起床し、軽く朝食を済ませて、成田空港へ向かった。最寄の駅に着くと人影が少ない。地震の影響だろうと改札まで行くと、なんと改札が閉鎖されている。まさかと思ったが、成田空港.JPG改札に貼られた紙には、地震の影響で運転の目途が立っていないと書かれている。早めに出たとは云え、これから迂回したのでは飛行機の出発時刻に間に合わない。そう思った瞬間、私はタクシー乗り場に向かって歩いていた。タクシーは私を乗せ飛行場に向かったが、所々でガソリン給油に並ぶ車の列に遭遇した。タクシーは道を迂回し渋滞を避けつつ、何とか空港へ到着してくれた。

 飛行場は、混雑していった。家に帰宅する足が確保できないのだろう、所々に荷物を抱えて横になっている旅行者がいた。私はチェックインを済ませイミグレに向かった。二つあるイミグレは一つが閉鎖されており、荷物チェックの前では長蛇の列となっていた。成田空港.jpg私は、なかなか進まない列に並び、何とかイミグレを抜け、残りわずかな時間を過ごすためにラウンジに入った。

 搭乗時刻を見計らい、ラウンジを出てゲートに向かったが、ちょうど搭乗が始まったばかりで、私はそのままクアラルンプール行きの飛行機に乗り込んだ。機内は空席が目立ち、出発時刻が過ぎても埋まらない。恐らく出発時刻に間に合わない人達がいるのだろう。機上.JPG最後に慌てて乗ってきた人が席に付くと、飛行機は定刻より遅れて滑走路を離陸した。離陸後、私は機体が上昇するのを感じながら、胸の中で何かほっとする気持ちと、後ろめたい気持ちが錯綜するのを感じた...


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