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ハンガリー [海外雑記]

  数日前、ハンガリー出張で知り合った日本人のS氏からメールが届いた。国会議事堂.jpgメールを見ると、近々ハンガリーの会社がクローズするので、日本に帰国すると書かれていた。メールにはブタペストの国会議事堂とドナウ川をバックに写した彼の写真が添付されていた。 

 私がハンガリーを訪れたのは、もう5年以上前になるかと思う。ブタペストにある会社の取引先を訪問することになったのだが、私としては東ヨーロッパに足を踏み入れるのは初めてで、何かわくわくした期待を持ったのを覚えている。

 フランクフルト経由でブタペストに到着した私を飛行場で迎えてくれたのがS氏だった。翌日、仕事が終わった後、S氏は『ハンガリー料理を食べに行きましょう』と誘ってくれた。レストラン.jpg“ハンガリー料理?”全く予備知識を持たなかった私は一瞬戸惑ったが、一人で夕食に行くのも面倒だし、お誘いに乗ることにした。連れて行ってくれたレストランは、こじんまりとした店構えで、店の中に入ると日本人の感覚では少し薄暗いスペースに、幾つかのテーブルが並んでいた。

 テーブルに案内され、席に着くとS氏がメニューを私に手渡し『コースにしますが、何か食べたいものありますか?』と聞いてきた。『いいえ、ハンガリー料理は、知らないのでお任せします』と答えると、『この国の料理は、基本辛いか、甘いかなんですよ。今日は無難なステーキにしましょう』と言ってウエイターを呼び何やら理解できないハンガリー語で注文しだした。しばらくして出てきた料理は、ええ~と思うほどボリュームがあり、オードブルのサラダとパンだけでも量があるのに、ステーキ.jpgメインデッシュは肉と野菜で山盛りになっており、どう頑張って食べても全部平らげることは不可能な多さだった。 

 トカイワインを飲みながらS氏が喋り始めた。『ハンガリーって昔から他民族に支配され続けた歴史が有り、ローマ帝国やモンゴール帝国、オスマントルコの支配下にあったりしたんですよ。そんな歴史の中で東洋と西洋の文化が混じっていて、たとえば彼らの名前、姓が先で名前が後で日本と同じなんですよ。知ってますか、第二次世界大戦の時、この国は日本の同盟国だったこと?』とS氏が聞いてきた。『え、知りませんでした』と答えると、さもあらんといった顔をして『日本人はみんな知らないんですよね。でもこの国の人々は日本の事、結構知ってますよ。日本人には親しみを持っていますよ』と話してくれた。

 そんな話をしていると、ステージに民族衣装を着て楽器を持った人たちが入ってきた。リーダーらしき男が何か話した後、彼らは民族音楽.jpgハンガリーの民族音楽らしき曲を演奏し始めた。『そういえばハンガリーで思い出すのは、ブラームスのハンガリー舞曲ですよね』と私がS氏に話しかけると、『ハンガリー舞曲は、ブラームスの作品と思っている人が多いのでが、彼はドイツ人で、ハンガリー舞曲はハンガリー民族音楽からの盗作、いいや編曲ですよ』と教えてくれた。我々の会話が分かったはずは無いのだが、その答えとほぼ同時に突然あの軽快且つもの悲しいジプシー音楽、ハンガリー舞曲5番が流れ始めた...

続く...


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